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人工楽園／２ 【１】 それは、最後の夜だった。 何時しか、玉泉山に二人で暮らすようになった玉鼎と太乙だったが、仙人の称号を持っている以上、免れない事が、あった。 それは、必ず弟子を取らなければならないと言う事だ。 今まで二人は、一種の『外弟子』とも言えるような、言わば講師の様な事をしていたのだ。 だが先ほど、玉鼎真人は原始天尊に呼び出され、内弟子を取る様に言われた。それは、玉鼎は太乙に言わなかったが、ちょっと訳アリの弟子だった。 ともかくも、弟子を取って、一緒に住むようになったら、今までみたいに太乙がこの玉泉山に一緒というわけにはいかない。 『出ていく』と言った太乙を、玉鼎は引きとめた。 「一日だけ……」 玉鼎は今日一日を、太乙との為に、無理を言って待ってもらったという。 「……うん｣ そして二人は、永遠の想い出を作るために、その夜を過ごす事にした。 「……？」 いつも通りに夜を過ごした後、ベッドの中で太乙が、言い出した事に、玉鼎が怪訝そうな顔をした。 「うん。だから、そんなに……悲観する話じゃないと思うよ｣ 「…それは……解ってはいる……が」 それでも、何故原始天尊の命令を受けてしまったのかと、玉鼎は後悔していた。 「また……時々は……来るからさ」 “抱かれに”などと言う事は、太乙は口に出さなかったが、当然そういう意味だ。 けれども、玉鼎は怖かった。 “何が…？”と、問われれば、答えられないほどに、漠とした不安だったのだが。 「太乙……」 意を決したように、玉鼎が沈痛な面持ちで、彼の名を呼んだ。 「……何？｣ 「貴方に……私の…証を……｣ 「……？」 太乙は意味を測り兼ね、不思議そうな表情をする。 その間にも、玉鼎は再度太乙を、ベッドに押し倒した。 「ここに……｣ 玉鼎は懐から出した、長く細い針をひと舐めした。 「お前の身体に……一生消えぬ…証を…」 太乙が見上げると、そこにはいつもの、残虐な表情をした玉鼎がいた。 「あ……あの」 「これで……彫ってやろう」 「ほ…彫るって……まさか」 「そう。刺青を……」 玉鼎は、それでもあくまで穏やかに、まるで明日の予定でも言うように、太乙に告げた。 「……イレズミ……って、それ…痛いよね？」 オズオズと、太乙が問う。 「当然」 玉鼎は、静かに笑う。そして、オロオロしている太乙を、いつも通りの器用な手付きで、縛り上げていった。 「……あ、あの…だからって……何でこんな風に……するんだよー」 「お前が、痛がって逃げるからだ」 「そ……そんなに…痛いの…？」 「ああ」 玉鼎は多くを語らなかったが、それは玉鼎が、とてつもなく特殊な方法で、太乙に刺青を施そうとしていたからだった。 「あ、あの……が、我慢するから……もう少し……｣ 「いや。多分…無理だ」 言いながら、玉鼎は、太乙をすごい格好に、縛り上げていった。 既に、生まれたままの格好の太乙を、ベッドの真ん中に転がし、両手をベッドヘッドのやはり両端に結ぶ。 足首にもベルトをし、右はベッドレストの方へ、もう一方は天井から吊るした鎖に繋ぐ。 「お前に中が、良く見えるな」 「あ……」 いつもの格好に、それでも太乙は、恥ずかしそうに顔をそむける。 「もっともっと……お前の内部が見えるように……してやろう｣ 「……そ、そんな…」 太乙の恥じらいをよそに、玉鼎は背中から腰の間に、いつもは頭の所にあるいくつものクッションをいれ込んだ。そして太乙の秘所が上を向くようにする。 膝も縛り上げ、関節も動かないようにする。腰にもベルトを回し、ベッドに縛り付け、動かないようにした。 「ここへ……」 そんな状態の彼に玉鼎が指し示したのは、太乙の一物の下あたり、可愛く丸い睾丸が震えている麓だった。 「ここなら、他の者には、見えないだろう？」 「や、やめてっ！そんなトコ！！」 「……ちょっと、待っていなさい」 相変わらず、太乙の抗議を無視し、玉鼎は部屋の中の籐のチェストに近づき、何かを取り出し戻ってきた。 その手には、茶色い小さな薬瓶。 そこから玉鼎は、透明なとろりとした液体を、指に出す。 「用意するまでの間……寂しいだろう？｣ 太乙が戸惑っていると、液体をつけた指を、恥ずかしさにヒク付いている秘部に近づけ、それを塗りこめる。 「冷たい！い、いや、なに…それ？｣ 「すぐだ」 「……あの」 玉鼎は何度も、その液体を塗りこめ、そこが十分に潤うと、その上で少しだけ勃ち上がっている太乙自身の先端にも、塗りつけた。 「あ……ああ」 「ほら……もう、熱くなってきただろう？」 その薬のおかげで、体が熱くなってきた太乙は、悩ましい声をあげ、足や蕾を、ヒクヒクとさせる。 その様子を楽しみながら、玉鼎は最後に、太乙の胸で赤く咲いている蕾にも、たっぷりと薬を塗った。 「ああ……いや、あつ…い…｣ 「雲中子に、もらってきたのだよ。なかなかに……効くだろう？｣ 太乙は、その薬の出所を聞いて、ギクリとなる。彼が作った物だと言うなら、その効き目は、絶大だ。 「ああ、あふ……ん、あぁ…」 そうしている間にも、太乙の声は更に艶を増し、その身体は熱くなっていった。 「……ああ、いや……何とかしてぇ」 「待っていなさい。私の用意が出来るまで｣ 玉鼎は何を用意しに行ったのか、部屋のドアを開けて出ていってしまった。 |