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人工楽園／２ 【２】 「あふ…ああ……」 動かないよう、固定された腰を揺らしながら、太乙は声を上げ続ける。 「あ……あ、玉鼎…もう……だ、だめ…ぇ｣ どれほど、身体が熱くなろうとも、この状態では如何ともしがたく、太乙には、玉鼎が戻って来る数分が、とてつもなく長く感じられた。 「あ……玉鼎…」 カチャリとドアが開いて、手に何やらを載せたお盆を持って、玉鼎が戻ってきた。それを、小さなテーブルの上に乗せると、ギシリと音をさせて、太乙がいるベッドの端に座った。 「…もう、そんなにして。我慢できなかったのか？｣ 相変わらず、玉鼎はそんな意地の悪い事を言う。その、一種冷たいような低い声は、太乙を更に感じさせた。 「あ…な…んか、すごくって……もうダ…メ｣ 太乙の赤く染まった目許を、玉鼎の指が触れた。そのまま下に降り、激しく喘いでいる、赤く染まった唇をなぞる。 「あ…そんな…トコじゃ……なく。もっと……｣ 「どこだ？言ってみろ｣ 「あ…私の……×××を……お、おね…が……い…気…狂い…そ…う」 喘ぎながらも、自分にお願いする太乙を、玉鼎はうっすらと笑みを浮かべて見ていた。 「以前は……そんな台詞…言えなかったのにな。何時から、そんな淫乱になった？｣ 「あ…あふ、お、お願……い」 大きく見開かれた瞳には、涙が溜まっていて、今にも零れ落ちそうだった。 それを玉鼎が指で掬い取ると、もう片方の目から涙が零れ落ちた。そして後から溢れるそれを、玉鼎の唇が吸い取る。 「……甘いよ」 そんな訳はないのだが、ある意味それは、とてつもなく甘い。怯えているはずの瞳の奥に、あきらかに自分の仕打ちに感じている彼がいて、玉鼎はうれしくなった。 玉鼎は、つっと指を伸ばし、太乙の胸で赤く色付き尖っている蕾を、爪で突つく。 「あ…ん、んふっ」 「もっと、下だろう？解っている」 先ほど、テーブルに置いた針を取り上げる。 「あ……玉て…い｣ 「……」 玉鼎は、その針先を、太乙の下で赤くふっくらと濡れている蕾に近づけた。 「あー！ああ、いい……」 「ふふ。まだ、突ついただけだぞ」 「だ…だって」 荒い息を吐く太乙の、刺激を欲しがっている菊花を、何度か針で軽く突ついた。その度に、太乙は、悲鳴を上げる。 「あ…あふ、い…痛いよ」 「まだ、刺してないぞ｣ 「そ、そんな……」 本当は、太乙の中にも、玉鼎にそうやって弄ばれる事で、更に身体が熱くなってくるのを感じていたが、まさか、そんな事は言えない。だから、付け足しのように“痛い”と、抗議して見せるが、その実、このまま彼に責められたら、自分はもっとどうにかなってしまうのではないかという、考えが、更に太乙を興奮させた。 「では……」 プツッと、音がして、その鋭い針が少し……ホンの少し、太乙の赤い皮膚を、突き破った。 「あーああっ、あ……イたっっ｣ すぐに針を抜き、玉鼎は乱れる太乙を見下ろす。 「い、痛いよー。こ、こんなんじゃなく……｣ 「くくく。これが……その内、快感になる｣ 「そ、そんな事…信じられ…ないっ……あっ！｣ 今度は、玉鼎の人差し指が、その入り口をつつっと撫でる。 「あ…ああっ、じらさないで…｣ 太乙の声に誘われるように、玉鼎の指が第一関節の所まで入り、そのヒクつき濡れている肉に、また針を刺す。 「あーああ……！」 気持ち良さと、鋭い痛みを与えられ、太乙は夜も日もない悲鳴を上げた。 「…どうだ？｣ 「あ……いい。玉鼎…もっと…も…っと…奥…｣ 先程痛みに苦痛を訴えていた唇は、今や玉鼎の与える行為を受け入れ、全てを快楽として、受け入れていた。 その声に誘われるように、玉鼎の指が太乙の奥へと入っていく。そこは、まるで全てを感じ様とするように、指を締め付け、もっと奥へと誘う。 「さて……」 だが、玉鼎は指を引き抜き、今度はテーブルから、小さなクリップを取り出した。クリップの先には、小さな鈴が付いており、それがチリチリと、可愛い音を立てていた。 「これは、随分緩くしてあるから……大丈夫だと思うが……」 「大丈夫って……な、どうする気……？」 太乙の怯えをよそに、玉鼎はそのクリップを指で弄ぶ。確かに、スプリングはかなり弱そうで、玉鼎は力を入れている風ではない。 「あっ！」 玉鼎は、先ほどの薬で赤く立ち上った太乙に乳首に、付けた。 「あ……い、いた……痛い…よ、あつ…い｣ その痛さに、太乙が身体をくねらすと、先に付いた鈴が、音を立てる。 「そんな音をさせてるうちは……ご褒美をやらないぞ」 「ああ……だって…い、痛い……」 太乙は、必死になりながら、身体の震えを止めようとした。だがそうする事で、身体に感じる痛みは更に増した。そして、唇からこぼれる喘ぎ声が、艶っぽさを増す。 そうして、太乙がその痛みや快楽と戦っている様を、玉鼎は見下ろしながら、更に何かを用意していた。 それは、幾つかの燭台だった。その上で蝋燭の炎が揺らめく。 玉鼎は、その一つを足元に移動させたサイドテーブルの上に置いた。それ以外は、ベッドの下の方に、集中して置く。 「……あ」 太乙が気付いた通り、その光は彼の秘部を、よりあきらかにさせた。 「……やめ……はずか…しい｣ 「くくく。お前の中が、皺の一本一本まで…そして、綺麗なピンクの色も……よく見えるぞ｣ 「……玉鼎の…意地…悪｣ 言いながらも、太乙の胸の鈴は、少しづつ震えが止まり、静かになっていった。 「玉……鼎…｣ 熱い喘ぎの中、自分がどれほど浅ましいか解っていながらも、太乙はそんな言葉を言わずにはいれなかった。 身体の震えを止めながらも、太乙の目は熱く、玉鼎からのモノを、切望していた。 「……いい子だ」 そんな彼に“ご褒美”という意味で、玉鼎が取り出したのは、いくつかの水晶の珠をつないだ器具だった。 綺麗な水晶の珠の真ん中に糸を通し、間隔をあけて幾つかを繋いである。先端は、他の物より少し大きめになっている。 「もう……こんなにしているから……十分入るな」 玉鼎はその先端部分を、太乙の菊花に当てる。 「…あっ！つ、冷たいッッ！」 散々じらされ、熱くなったそこは、当てられた冷たい感触に、逆にまた、太乙の身体に、電流を走らせた。 「これもまた……いい刺激だろう？」 「あ……あひ…」 玉鼎は、そんな言葉で太乙を弄りながら、その器具を、太乙の身体に埋め込んでいく。そして太乙の方は、軽い抵抗を見せながらも、すっかり濡れそぼっている秘部が、その器具をどんどんと呑み込んでいった。 「は……ああ、あ…んふ…｣ 冷たかったはずの器具は、太乙の中の熱さで少しずつ同じ温度になっていった。それは、また別の意味で、太乙の中でその存在を主張し始めた。 「あふ……あ、も…っと……い、いや……｣ 玉鼎は、器具を微妙に動かしながら、奥へと進める。太乙の唇から、切れ切れに喘ぎ声が漏れ、その様子を、玉鼎は満足そうに見つめた。 |