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【２】 『じゃあ、もういいね』と、一連の話を終えて、立ち上がった太乙を、ナタクがもう一度引き留めた。 「何だい？だから、結婚してもいいって言っただろう？でも、ここじゃ…というか、すぐには出来ないよ？用意がいるんだから。帰ったら、きちんと準備してあげるから……ね？」 やっと誤解が解けた太乙は、にこにこと、どちらかと言えば、うれしそうに笑った。 「そうじゃ……ない。もっと、大事な事が……あるって…聞いた」 「ああ。届け出の事だね？大丈夫。それも、帰ったらきちんとしてあげるよ」 それについては、実際そんな事をしたら、新教主のヨウゼンに、どんな事をされるかわかったものではないが、太乙は純粋に、ナタクの気持ちがうれしかった。 太乙は、ナタクの側に近寄り、落ち着かせるように、その身体を、ぽんぽんと叩く。 「…わ、わあぁっ！」 だが、いきなり太乙は、ナタクにその身体を抱え上げられ、すごい声を上げる。 「ナタク！降ろしなさい！何を……」 太乙の言葉を無視し、ナタクはその身体を、隣のベッドルームまで運ぶ。そして、太乙の身体を、先ほどの大きなベッドの上に降ろした。それも、いつもの彼からは考えられないように、優しく。 「まったく。相変わらずお前は、らちがあかない。きちんと、大きな寝床のある部屋にしてもらったんだ。だから……今から俺達は、『ケッコン』する」 相変わらずの口調でそう宣言すると、ナタクは軽い口付けを、太乙にした。 「ちょっ！ナ、ナタク！まさか……ほ、本当の意味……わかって…」 「だから、韋護に聞いたと言っただろう。それに……」 ナタクは顔を赤らめ、それ以上何も言わなかった。 その一瞬で、太乙はあらかたを理解した。 この、すべての黒幕は、韋護なのだ。さらに彼は、原始天尊達にも、裏から話を通したらしい。知らないのは、自分だけなのだ。だから、こんな立派なスイートルームを用意してあったのだ。 だがこれでは、結婚と言うより……。 あわてて、起きあがろうとする太乙を、ナタクはベッドに押さえつけ、その首筋に口付ける。 「ナタク……あっ…」 小さな唇が、太乙の露わになった首筋をたどり、その間に器用にも、太乙のプロテクターや、宝貝を外しす。更にそのズボンにも手を掛けた。 「ナタク……」 「ああ。そうだな」 いうと、ナタクは少しだけ、太乙から離れた。太乙は一瞬ほっとしたが、それはナタクが、自分の服を、いや、身につけている宝貝を外し忘れていた事に、気が付いただけだった。そして、一瞬で、ナタクは自分の装備品を外し、改めて太乙に向き直る。 （ま、まさか……。先日改造しろって言ったのは、この為ぇ？） 太乙は、ナタクの様子を見て、蓬莱山での事を思い出していた。 それは、セン玉と土行孫の結婚式の時だった。 「なあ、太乙真人。今日は、何なんだ？みんな、妙に騒がしい……」 仙道たちも、蓬莱山に落ち着いた頃。あの二人は、結婚式をすると言い出した。勿論、言い出したのはセン玉だ。そのため、今日はみんなが、バタバタしていた。 「ああ、今日はね。セン玉君と土行孫君の結婚式なんだよ」 「結婚……？なんだ、それは？」 「ナタクも大人になったら、わかるよ。ああ、楽しみだなぁ……」 この時。太乙は勝手に、ナタクが結婚した時に、花婿の父として、出席する自分を想像して、一人でにやけていた。実際は、その役目はナタクがどう思おうと、李靖であろうし、太乙は、彼の恩師として、参列するだけなのだが。 その場は、ナタクがそれ以上追求しなかったし、宴会になだれ込んでしまったので、その事については、終わってしまったのだ。 だが後日。実は太乙の知らない所で、ナタクは先日の疑問を、韋護に聞いていたのだ。 「うーん。結婚……ケッコンねぇ」 いつになく真剣なナタクの様子に、韋護は考え込む。 「太乙真人は、教えてくれないんだ」 不満そうに、ナタクは言う。 「わかったぜ。ナタク。まずはな……」 そして“いいこと”を思いついた韋護は、ナタクに色々と教授しはじめた。 ある程度を納得したナタクは、数日後、太乙にあるお願い、もとい、脅しをした。 「えっ？宝貝を、ワンタッチで外せるようにしろ？」 確かに、あの封神計画の大戦の折。太乙は半分は己の趣味も相まって、ナタクにいいだけ、宝貝の装備をした。 実際、ナタクもそれについては満足したようだが、日常生活で、邪魔になるのも事実だ。今は、平和になっているので、それほどすごい力もいらない。 いつもの通り、太乙はナタクの要求を叶え、だが、それを何に使うかまでは、その時太乙は考えなかった。 その成果が、これだ。 一瞬で宝貝を外したナタクは、裸のまま太乙に向き合う。 「これでいいな」 ナタクは、先ほど脱がしかけていた、太乙のズボンに手をかけ、いとも器用に、それを取り払ってしまった。 「そ、そこは……」 つっ…っとナタクが、指先で太乙の露わになった敏感な所を撫でる。 その刺激に、太乙は白い喉を見せ、甘い声を上げた。 「や、やだ……ナタク…」 ナタクはもう一度、太乙に口付けをする。今度は、かわいいフレンチキスではなく、唇を舐め、更に舌まで入れてきた。 「ちょ…あ…ん……ん…あふ」 唇は、完全にふさがれ、太乙はナタクのいいようにされていた。相手がどうでもいいヤツなら、噛みついてやる所だが、今自分としているのは、可愛い弟子だ。もっとも、そんな事をしたら後が怖いので、太乙が反撃に出る事など、ないだろうが。 太乙は、頭の中ではいけないと思いながらも、ナタクのテクニックに翻弄されていた。子供で、こんな事など知らないと思っていた彼の、思いがけない行動に驚いたとも言える。そして何時しか、太乙の方から、舌を絡めていた。 「ん……はぁ……」 長いキスの合間に、ナタクの手は、太乙の腰や胸の辺りをさまよい、愛撫していく。そして、残っていた上着も、きちんと脱がしてしまった。 「はぁ、はぁ……」 やっと解放された太乙は、荒く息を付いた。 「ナ…ナタク……あの……」 とぎれがちな声も、とても色っぽかった。 「気持ち良かったか？」 「……うん。……じゃなくて！だから、何て事を、教わってくるんだよー？」 「こうすれば、太乙が喜ぶって聞いた。きちんと修行もしたんだ。……だ、駄目なのか？」 「い、いや。駄目じゃないよ。でもね……」 ナタクは、自分の思う以上に、色々知っているらしい。それを、まだまだ知らないと、自分はタカをくくっていた。その間違いに、太乙はやっと気が付く。そしてナタクが自分と何をしようとしているかも。それでも、彼の行為を受け入れる事を、太乙は、素直に認める事が出来ない。 「太乙は……」 あまりにも太乙が、ごちゃごちゃ言うので、ナタクは、その顔をじっと見つめた。 「本当は、オレと結婚するの……イヤなのか？」 ナタクは、大きく目を見開く。それは、今にも泣き出しそうに、太乙には見えた。 「ご、ごめん。違うんだ。イヤじゃない。いやなんかじゃないよ。私だって、ナタクの事は、大好きだよ。ただ……突然で……」 そこで、太乙は言葉を切る。何時もと違って、ナタクが自分の言葉を素直に聞いてくれるのが、うれしかった。 「ナタクが、こんなに大人になってたなんて……知らなくて…びっくりしちゃったんだよ」 「本当か？」 「嘘ついて、どうするんだよー？ごめんね。本当に…君は……その…上手いよ」 太乙は、はにかみながら、ナタクに言う。 「あの……本当に…修行したの？」 「信用してないのか？や、やさしく…するぞ」 「……え、ええ…えっと」 結局、太乙は諦めた。まあ、先ほどのキスと言い、その前の様子から察するに、韋護はかなり、ナタクに教え込んだらしい。それでも、ナタクが暴走したら、自分は壊れてしまうのではないかと、太乙は少しばかり心配した。 そんな太乙を、ナタクはもう一度、ベッドに押し倒す。 ナタクが上手い事は、さきほどの手管で、証明済みだった。 何時しか、太乙の着ていた物は、すっかりと脱がされ、その白い肩や鎖骨に、ナタクの唇が降りる。 「あ……ん。ナ…ナタ…ク」 時折、太乙の方からも、キスを返すが、ナタクのそれの方が、遙かに上手く、太乙は息を上げさせられっぱなしだった。 そして、太乙のモノが勃ちあがるのを確認すると、ナタクがうれしそうに笑った。 「本当に…気持ちいい……ようだな」 「……そう言う…ナタクだって」 太乙は、やはり立ち上がったナタクのモノを、そっと撫でた。 「あ……ま、待ってろ。確か……」 それに照れたのか、ナタクは先ほど脱いだ自分の服を、ごそごそ漁る。そこから、一体何時用意したのか、ソレ用の、ジェルを取り出した。 「ナ……ナタク…？それ…」 少し引きながら、太乙は声を掛けた。 「韋護が、餞別にくれたんだ。『シンコンリョコウ』の必需品だと言って」 何だか、色んな事が、ごっちゃになっているようだ。 「心配するな。使い方は教わってきた」 そう言う問題じゃないんだけど……と、文句を言う太乙の言葉は、表に出される事はなかった。 「……そうだね。ナタクは、大人だものね。でも……もっといい事……してあげる」 今度は、太乙の方が、そっと笑って見せた。太乙は、ナタクのモノを掴み、自分の口を寄せる。 「あっ、や、やめろ……太乙…」 「いいから。して…あげたいんだ」 太乙が舌を出し、ナタクのそれを、優しく舐める。そのまま、口に含み、濡らす。 「そ、そんな事…さ、させるな……と、韋護…が……」 「わかってないね。まあ、韋護としては、君が私に乱暴しないようにと、心を砕いたんだろうけど……」 太乙は、ナタクのモノを口に含み、舌で愛撫する。口の中で、それはとても大きく、堅くなっていった。 （……私…こんな大きく…造ったかなぁ？まあ、基本的には、ナタクの身体は有機体だし、その成長まで、私はコントロール出来ないっちゃぁ……出来ないんだけどぉー） 「た、太乙。も、もう……」 今ひとつテクニックのない太乙でも、その刺激は絶大だったらしく、ナタクは余裕のない声を出し、太乙を己から引きはがす。何よりも、韋護にはきちんと“入れて”あげろと、言われているのだ。 「そうだね。本当は別に、ここで一回達っちゃっても、君ならすぐ、回復するとは思うけどねー」 ナタクは少しばかり、不思議そうな顔をした。そう言う事については、韋護から教わっていないらしい。まあ、すべてを教え込むのは、無理であろう。 （って、事は、後は…私が教えなきゃなのかなぁ。ナタク…言う事聞くかなぁ） やはり何度か、途方に暮れる太乙だった。 「う、後ろを向け」 まだ、その格好でいる太乙に、ナタクは恥ずかしげに、言う。 「えー？後ろからやるのぉ？ナタクのエッチ……」 「そ、そうじゃない。こっちの方が、太乙が痛くないって……」 「それは、韋護君に、教わったんだね」 「そ、そうだ。あ、太乙。後で、韋護にお礼しとけよ」 「何で、私が！？」 「しておけ」 「……わかったよう」 こういう所は、相変わらずだった。 （でも何で、弟子の色事の手ほどきの礼を、私が……。しかも、犯られるは、私なのにー） 太乙は、ちょっとばかり、泣きが入る。 そんなやりとりをしている間にも、ナタクは教わったとおりに、チューブからゼリーをしぼり出し、太乙の秘部に塗り込めていく。 「あ、ああ……な、ナタク。つ、冷たい…」 「あ…。い、今…暖めてやるから」 そう言えば、ジェルを手のひらか体温で暖めるかしておけと、言われたのを思い出した。 （結構…いや、かなり……面倒だ） ナタクは、そう思い始めているが、ここまで来たら引けないし、何よりも、太乙の“いい顔”を、見たかった。 「い、入れるぞ」 結局、太乙の言うとおりに、彼の足を抱え上げ、その表情を見ながらの挿入となった。 きついそれも、太乙が何とか力を抜き、きしむ音を立てながらも、彼の中に収まる。 「あ…ん、ん」 「きついか？」 「だ、大丈夫」 「……だったら、力を…抜け」 「ご、ごめ…ん」 太乙のその返事に、ナタクも動かずに、太乙の身体を愛撫して、落ち着かせようとする。 「ナタク……い、いいよ。動い…て」 確かに、ナタクのモノは大きくて、太乙はきつかったが、自分を思いやる彼の気持ちに応えたかった。 「あっああ……ナ、ナタク…」 意を決したように、ナタクが動く。 「た、太乙…うっ…」 「……ナタク？」 なんと。あまりの気持ちよさに、ナタクは数度動いただけで、イってしまったのだ。 「あ、あの……」 ナタクは、すごく赤くなる。韋護に、きちんと動いて、太乙を感じさせるようにとも、言われたのに。 「大丈夫だよナタク。その証拠に、まだ……」 確かに、ナタクのモノは、太乙の中で、まだ大きな形を保っていた。 「もう一度……動いて……」 太乙に促され、ナタクはもう一度動き出す。今度は、すぐにイクことなく、更に、一度目の射精で、太乙の中は動きやすくなっていたため、ナタクは何度も、太乙の感じる部分を突き上げた。 「あ、ああ……ナタクっ！いいっ、すごく……」 太乙の声に、ナタクも余裕がなくなり、己の欲望のままに、腰を動かした。 それでも、太乙が危惧したようにはならず、二人は快楽をむさぼった。 【３】へ
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