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【３】 太乙は、自分の考えがまとまらないまま、燃燈の行動に、抵抗せずにいた。だが、自分の服に手を掛けられると、身体の方が拒絶し、暴れ始めた。 「太乙。痛くされたいのか？」 「だ、だって……やっぱ…や、いやだ……」 勿論、縛られているので、逃げられる訳ではないのだが。それでも、いくらのほほんとした太乙でも、これから自分の身に何が起こるか位わかる。それを考えると、身が竦むのを、太乙は押さえられない。 「燃燈。私が…」 側で見ていた玉鼎が、二人に近づいた。そっと太乙の後ろから抱きしめる。 「太乙、落ち着いて…」 「あ、玉…てぇ。おねが…い。やめて…」 見ているだけだと言っていた玉鼎までもが、こうやって自分に近づき、そんな台詞を言う。彼が、ある種味方でない事を、わかっている太乙は、当然怯えた。 「大丈夫だ。私が、脱がせてあげるから」 玉鼎は、太乙の頬に、優しく口付けた。自分は一切手出しせずに、見守っているだけのつもりだったが、太乙の様子に、思わず駆け寄ってしまったのだ。そして、太乙がおびえないように、優しく、ゆっくりと、その服に手を掛けていった。 「服を…破られたくはないだろう？だったら、きちんと協力しろ」 その様子を見ていた燃燈が、そんな台詞を言うと、玉鼎が少しきつい眼で睨んだ。それを燃燈は、鼻で笑う。本当は、太乙の服が破かれて困るのは自分達ではあるのだが。そんな事はどうでもいいという風な燃燈の態度に、玉鼎はやはり腹が立った。そして、結局は、こうするしかない自分自身にも。 太乙の方は、玉鼎のキスが甘くって、そのまま抵抗を止めてしまった。少なくとも、こうやって優しくしてくれる玉鼎の手に掛かるのなら、少しは辛抱しようと言う気になったのだ。 「玉鼎。やっぱりお前も、参加しろ」 「……参加？」 「太乙も、その方がずっと、気持ち良かろう」 そう言われた玉鼎は、困惑したまま燃燈を見つめた。 「あの……ね。玉鼎、私……」 意を決して、太乙が口を開いた。 「君にも……して欲しい」 「太乙……」 太乙の突然の言葉に、玉鼎は彼の顔を見つめた。 いずれにせよ、こんな非力な自分では、抗う術はない。少なくとも玉鼎がいるのだから、ひどい事には、ならない気がする。そう決めた太乙は、大好きな玉鼎にも、“して”欲しいと思ったのだ。 そんな彼の様子に、玉鼎の方も、心を決めた。 太乙の首筋に口付けをし、更に太乙の服を脱がしていった。もちろん、脱がしづらいので、手を縛っている紐は外してやる。 そして、その間にも、太乙の身体に、優しくキスをする。太乙は、自らも協力して、袖から腕を抜いた。 そんな太乙に燃燈は、動きを再開した。その現れた白い肌の上に、指を滑らせた。 二人とも、太乙がこう言うことには不慣れな事をわかっているらしく、玉鼎もさる事ながら、燃燈の愛撫も、とても優しかった。玉鼎は、触れるだけながらも、何度も太乙の唇にキスをし、燃燈も、指と共に唇をその肌の上に降ろした。そして、柔らかく唇や舌で、愛撫をしていく。 「……あ…ん」 何時しか、太乙の口からは、甘い声が漏れていく。それは、少しずつ荒くなる息の所為で、無意識に紡ぎ出された声だったが、その様子に、燃燈は薄く笑い、玉鼎は切なそうな眼をした。 燃燈の口付けは、はじめ軽く啄むものだったが、から、強く肌を吸い、赤い跡を付けていく。 太乙も、初めはいやだと思っていたものが、こうして彼らに身体を預けてしまえば、とても気持ちのいいものだと、気が付いてしまった。 そして太乙は、自ら燃燈に口付ける。 「……太乙。うれしいよ｣ よく見れば、笑った燃燈の表情は、とても優しく、太乙は、新しい発見をした。 「あ……あん｣ そのうち燃燈が、太乙の腰から下を愛撫し始め、やはり恥ずかしかった太乙は、少しだけ身体をよじった。 「太乙……｣ 玉鼎が太乙の耳元で囁く。優しくではあるが、後ろから太乙の身体を、押さえつけていた。 「あ、玉鼎｣ 「大丈夫だ。私達に、身を任せて｣ 戸惑う太乙に、玉鼎は口付ける。今度は、少し長く。 「う……うん｣ その間にも、燃燈が腰や足の付け根に、口付けをし、太乙の快楽を掘り出していく。 「あ…あん。あっ…わ、私……｣ そして、太乙の口からは、もっと甘い声が、紡ぎ出された。 太乙は、玉鼎と熱い口付けをした。何度も角度を変えて、唇をつけた。もちろんそれだけでは足りず、唇を開き、舌を絡める。 太乙は、自分がこれ程に淫らだとは、思わなかった。確かに、玉鼎の事はとても好きだが、下半身は燃燈に愛撫されているという状況だというのに。だが、もうこの二人に身を任せるしかないのだ。 少しずつ、太乙への愛撫を下に移動していた燃燈は、彼に自分を受け入れさせるべく、そっと指を可愛いすぼみに近づけた。 「…あっ」 太乙が、一瞬抵抗する。だが燃燈の指は躊躇なく、入り口を広げようとした。 「あ、あの…そんな…」 太乙は、変な気分になり、弱々しく、拒絶の言葉を吐く。勿論、そこを使わなければ、燃燈を満足させられないとは、わかっているのだが。 「やはり……狭いな」 そうつぶやくと、燃燈はどこからか香油を出し、そこを濡らしていった。 「あ…あああん｣ 「力を入れるな。痛くされたくないならな。これでは、話にならん｣ 「え、あ、あの…｣ 燃燈は、太乙のそこを指で揉み解しながら“気”を送り、太乙のそこを、自分を受け入れやすいようにした。 そのうち、香油の所為か、くちゅり…と濡れた音が響いた。その音に、太乙は赤くなる。燃燈は、更にその指を動かした。はじめは固かった蕾が、徐々に開くように、太乙のそこは、濡れながら綺麗なピンク色を晒していった。そして、燃燈が指を動かすのに合わせ、濡れた音が、暗い部屋に響き始めた。 燃燈は、はじめ一本だった指を増やし、更に微妙な動きを、太乙の中でする。その動きに合わせ、太乙は切ないうめき声を上げた。 「そろそろ……いいようだな」 わざと聞こえるように、燃燈が言い、太乙の中から、指を引き抜いた。 「太乙。後ろを向け｣ 「……え？｣ 「その方が、痛くないからな｣ 燃燈の言葉は、太乙の事を気遣ってだとは解っているが、その冷たい口調に、太乙は怪訝な顔をした。 「いやなら、このままでも良いが。まあ、その方が、お前の表情が見えて、私はうれしいがな｣ 笑いながら言う燃燈に、太乙はのろのろと後ろを向く。 「太乙……｣ 不安そうな太乙に、玉鼎はもう一度口付けをする。 「リラックスして｣ 「う、うん……あ…｣ その間に、燃燈は、太乙の秘部に、己のものを押し当てた。それに、太乙の身体は、ぴくりと反応する。 「あ、…ああああっ｣ 燃燈の先っぽが、太乙の内部に、キシキシと入っていく。だが、そこが入ってしまうと、後は案外すんなりと入りそうだった。 「あ…ああ｣ 「太乙……力…抜け。｣ 燃燈は、そのまま太乙を持ち上げて、自分で抱えあげるようにした。座った燃燈の上に、太乙が乗る形になった。 「あ、あああっ！｣ 後ろから抱かれ、自分の重みで奥まで貫かれた太乙は、悲鳴を上げる。 その彼を、玉鼎が前から、リラックスするように愛撫した。 「あ……う…あああん｣ 「太…乙。ち、力を…抜け｣ 燃燈は、太乙の狭さにあえぎ、切羽詰った声を出した。 その声に、太乙は少しばかり、うれしくなった。自分のこの身体が、“あの”燃燈を、おぼれさせる事が出来るとは、思わなかった。 だが、力を抜いたところを、激しく燃燈に突き上げられ、太乙はまた悲鳴を上げる。 「玉…鼎…た、太乙を……｣ やはりきつそうな声で、燃燈は玉鼎に、声を掛ける。 玉鼎はそれにうなずくと、太乙の前で萎えているものに、指を近づけた。 「あ……ああ。ぎょ、玉てぇー｣ 「太乙。気持ちよくしてやる｣ 燃燈に侵入される痛みが少し薄らいだ所に、太乙は前の敏感な所をいじられ、その気持ちよさに、ついつい腰が動いてしまう。 「あ、ああ…｣ 勿論、燃燈のものが、自分の内部で動いていることにも、太乙は声をあげた。 「た、太乙。いい…すごく……い、いい｣ 「あ、あうっっ……」 そのうち、指で太乙を弄んでいた玉鼎は、その唇を緩く勃ち上がったかわいい突起に、近づけた。最初は、キスを、そのうち舌を這わせ、それが固く立ち上がると、先端を銜えた。 「……は、あうっーー、ぎょ、玉てぇーー」 太乙は、玉鼎の愛撫で、先に達してしまった。 その、ぐったりとなった太乙に、燃燈は容赦なく、己の欲望をぶつける。そして間もなく、燃燈の方も、太乙の内部に、白濁した思いを注ぎ込んだ。 「……ーふぅ」 彼らしくなく、燃燈は深い溜息を吐く。 「玉鼎。お前は……本当にいいのか？」 燃燈は、身支度を整えながら、玉鼎に問う。その玉鼎は、力無く放心している太乙を、優しく抱きしめ、落ち着かせていた。 「……いい」 本当は、自分も、太乙の様子に興奮してはいるのだが、目の前の彼を見ると、そうとしか言えない。 「玉…てぇ…」 太乙が、弱々しい乍らも、声を掛けた。そして、指を玉鼎の方に伸ばし、その頬に触れた。 「太乙…」 「玉鼎。好き…大好き。だから……」 そう言うと、太乙は玉鼎に口付けた。 「た…太乙」 「ねぇ…して……あげる」 気が付けば、太乙のもう一方の手は、玉鼎の高ぶりを確かめるように、指が動いていた。 「…あ……」 不覚にも、玉鼎の口から声が漏れる。ズキリと、快感が走った。 太乙は、玉鼎の服をまさぐり、玉鼎の脈打っているモノを引きずり出すと、かわいい唇を寄せた。 「た、太乙！」 玉鼎は、当然うろたえた声を出し、太乙を止めようとした。 「だって……玉鼎、つらいんでしょ？…して…あげる……」 はじめは、ゆっくりと先端を舐めるだけだったが、そのうち太乙の唇は、太い玉鼎の肉棒をくわえ、むぐむぐと口や舌を使い始めた。 「あ…あっ、た…い…乙……い、いい」 勿論、すごく上手い訳ではなかったが、玉鼎の方は、そのシチュエーションに、爆発寸前だった。 「玉鼎。達っても…いいよ」 口を離し、下の玉を指で愛撫しながら、太乙が言った。 「た、太乙……」 うわずった声で、玉鼎は目の前の想い人の名を呼んだ。 「いい見物だな……」 「…燃燈」 「玉鼎。やはり、きちんと下の方に入れてやれ。もう、十分濡れているから、ずっと簡単なはずだし、太乙も、もっと感じると思うぞ」 燃燈は、眼を細めながら、二人の嬌態を見つめる。 「あ……玉鼎。……い、れて」 「太乙…」 うろたえる玉鼎に、太乙は抱きついた。 玉鼎は、太乙を抱きしめ返すと、優しく台に横たえた。そのまま、太乙の両足を抱え上げる。 そして、彼が濡らしてくれた己のものを、太乙の秘部に突き立てた。 「あ、あ…あん｣ それは、燃燈の言う通り、簡単に内部に入っていった。それでも、太乙の中は狭く、玉鼎はそれだけでいきそうになる。 「玉…鼎ぇ……あ、ああー…｣ “容易く”とは言ったものの、太乙のそこは、まだ、他人を受け入れるのは二度目だ。慣れている訳もなく、太乙は痛さに悲鳴を上げた。 それでも、先ほどとは違い、太乙のそこには、じんわりと熱さが広がってきた。 「玉鼎ぇ…｣ 「動いて｣と、目で合図する。 玉鼎は、太乙のことを心配し、一瞬躊躇したが、逆に、入れたままの方が、太乙がつらいだろうと、意を決して、腰を動かした。 「あ…ああーー、い、いいっ｣ 太乙の口から、明らかな嬌声が漏れるのを聞き、燃燈は眉をぴくりと動かしたが、それは勿論、行為に没頭している、二人の知るところではなかった。 淫らな音が、部屋の中に響き、更に正気に戻れば、側で燃燈が見ている事に、太乙はよけい燃え上がるのを感じていた。 （わ、私…こんな…） 恥ずかしさに、一瞬正気に戻りそうになるが、玉鼎から与えられる刺激は、太乙の奥を突き上げ、自分でも思ってみなかった快楽の元を、刺激した。 「あ……あん…ああああ」 切れ間のないよがり声を、太乙はあげていた。 そして一度達したにもかかわらず、太乙と玉鼎は、ほぼ同時に頂点に達した。 「後は、任せる｣ 今度こそ、気を失ってしまった太乙と、玉鼎を残し、燃燈はその場を離れた。 |